マルエージング鋼
マルエージング鋼は時効硬化処理により高い強度と優れた靭性を兼ねた析出硬化型の材料です。
マルエージング鋼の特徴
マルエージング鋼は「超」がつくほどの高強度、高靭性を得られます。
通常、硬度が上がると靭性が低下しますが、マルエージング鋼では高靭性である低炭素マルテンサイトに
時効処理を行い析出強化させることにより高靭性と高強度を両立しています。
金属3Dプリンターで造形した部品は必要に応じて造形後の機械加工、放電加工、研磨、コーティングを施すことができます。
Ni、Co、Moなどの元素を多く含むため、大変高価な材料です。
マルエージング鋼の用途
・工具
・プラスチック射出成形金型
・アルミダイカスト金型
・鍛造金型
マルエージング鋼の化学成分
金属3Dプリンターに使用されるマルエージング鋼は各材料メーカによって成分の比率に多少のバラツキがあります。
材料 | 化学成分(%) | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
C | Si | Mn | P・S | Ni | Co | Mo | Ti | Al | Fe | |
マルエージング鋼 | 0.03以下 | 0.10以下 | 0.10以下 | 0.010以下 | 1700~19.00 | 8.50~9.50 | 4.50~5.20 | 0.60~0.80 | 0.05~0.15 | 残部 |
※EOS MaragingSteel MS1 データシートから転載
参考:一般的なマルエージング鋼の化学成分
材料 | 一般的なマルエージング鋼の化学成分(%) | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
C | Si | Mn | P・S | Ni | Co | Mo | Ti | Al | |
マルエージング鋼 | 0.03以下 | 0.10以下 | 0.10以下 | 0.010以下 | 18.00~19.00 | 8.50~9.50 | 4.70~5.20 | 0.50~0.70 | 0.05~0.15 |
※JIS規格
金属3Dプリンターに用いられるマルエージング鋼の機械特性
項目 | 値(造形時) | 値(時効硬化後) |
---|---|---|
最大引張強度(MPa) | 1000~1200 | 1950~2150 |
降伏強度(MPa) | 950~1150 | 1890~2090 |
破断伸び(%) | 6~14 | 2~6 |
硬さ(HRC) | 33~37 | 50~56 |
密度(%) | 約100 |
※機械的特性は、使用する機械、ビルド条件や測定条件によって異なることがあります。
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※上記のデータは指定の材料、装置、パラメータセットを所定の試験手順によって測定されているものであり、この材料を使用して得られる全ての部品等について保証するものではありません。