カブクコネクト

【めっき】めっきとは

表面に薄い皮膜を形成して、素材に対して様々な効果を付加する表面処理方法の一つです。めっきの種類と性能は多種多様ですが、目的は大きく分けて3種類あります。

めっきの目的

耐食性の向上

 腐食(さび)を防ぐためにめっきをします。

 防食や防錆という言い方をします。

 鉄のように素地のままでは簡単にさびが発生する材料があります。

 最初は表面だけですが、内部まで進行すると強度が下がるなど、性能にも影響が出てしまい、使えなくなってしまいます。

 そうならないように、さびに強いメッキで表面を保護します。

 

装飾性の向上

 見た目を良くするためにめっきをします。

 例えば装飾目的で金めっきをすると、安価な素材で形状を製作して、表面に金を付着させることで、純金で製作するよりも安価で見た目を綺麗にできます。

 美しさの向上のために使われるものとしては金メッキや銀メッキが主流ですが、 クロムやニッケルなども装飾性の向上のために使われることがあります。

機能性の向上

 めっき皮膜自体の特性を利用して機能を付与するためのめっきです。

 その機能はめっきの種類によって様々ですが、大きく分けて6種類あります。

  • 電気的特性(電導性や磁気特性など)
  • 機械的特性(高硬度や潤滑性など)
  • 物理的特性(はんだ付け性や非粘着性など)
  • 化学的特性(耐薬品性や抗菌性など)
  • 光的特性(光の反射性や耐候性など)
  • 熱的特性(耐熱性や熱放射性など)

 

めっきの種類

様々なメリットがあるめっきですが、めっきにはどのような種類があるのでしょうか?

代表的なめっきの種類について紹介します。

 

電気めっき法

電気めっき法は一般的に使われるめっき方法となります。電気めっき法は、金属イオンが溶けた溶液にめっき処理を施したい製品と、めっきの被膜としたい金属を投入し、めっき処理を施したい製品に+極、被膜したい金属に-極の電極をつけます。そして電流を流すことにより還元反応が起こり、製品に被膜を生成させることができます。

電気めっきのメリットとしてはコストが安く短時間でめっきができるという点がありますが、デメリットとしてめっきの量が電流によって変わるので、複雑な形状の製品にめっきを施す際に均一にめっきされず、きれいなめっきにならないという問題があります。

 

無電解めっき法

無電解めっき法は、金属イオンが溶けた溶液にめっき処理製品と、被膜としたい金属を入れて処理するという面では電気めっき法と同じめっき法となります。違いとしては、無電解めっき法では電気を流すのではなく、化学反応を起こすことにより製品に被膜を生成させる部分です。電気を流さないため樹脂などにもめっきが出来るという点や、複雑な形状の製品にもきれいに均一的にめっきを施せるメリットがあります。

 

デメリットとしては、電気めっき法と比べコストと時間が大幅にかかる面です。

置換めっき法

置換めっき法は、化学反応を利用しためっき法の一種です。水槽の中に入れられた被膜としたい金属溶液に金属を入れ、入れられた金属が溶けることによりその溶けた部分に溶液の金属が付着します。溶けた部分と溶液の金属が置き換わることによりめっきを施すために置換めっき法と呼ばれます。

 

よく用いられる置換メッキ法としては、硫酸銅液に鉄を入れることにより鉄の表面が溶け出し、溶けた鉄の部分と溶液の銅が入れ替わり銅メッキが施されるという具合です。

 

置換メッキ法は耐食性が高いめっき法ですが、めっきの厚さがある程度になると化学反応がとまるためめっきの厚さが限られるデメリットがあります。

乾式めっき法

乾式めっき法は、電気めっき法などで使われる水溶液を使わずめっきを施すめっき法です。代表的な乾式めっき法として真空めっき法があり、真空めっき法では真空状態となった容器に金属を入れることにより、金属をイオン化もしくはガス化させます。イオンもしくはガス化された金属を製品の表面に付着させ、めっきが施されます。

 

大半の金属や非金属にめっき処理を施せるメリットがありますが、電気めっきなどと比べて量産性は低く、コストがかかるというデメリットを持っています。

 

最短5秒で見積もり、発注