電食について

表面処理

1. 電食とは

異種金属が接触した状態で、金属に水等の通電性の液体が触れると電気が流れます。
電気が貴金属から卑金属に対して流れることで、卑金属がイオン化して
腐食することを電食と呼んでいます。(例:ボルタ電池)
※イオン化とは、金属が水等の通電性の液体中で陽イオンになろうとする性質のことです。
陽イオンになりやすいほど酸化されやすく、腐食しやすくなります。

図:金属に含まれる物質のイオン化傾向

カリウム-カルシウム-ナトリウム-マグネシウム-アルミ-亜鉛-鉄-ニッケル-錫-鉛-<水素>-銅-水銀-銀-白金-金
※ステンレスは合金なので、イオン化列には入っていませんが、銅と同程度です。

 

2. 電食の発生しやすい条件

1⃣.金属の電位差が大きい

例えば、片方にステンレス、もう一方に亜鉛メッキをした鋼材を使用した場合、
単体では錆に強い材料同士ですが、電食に対しては弱い組み合わせになります。
※亜鉛メッキを先に腐食させて、中の金属を保護する目的で使用する場合もあるようです。

2⃣.水分の付着しやすい環境。

・湿度が高い環境
・屋外など雨や雪が直接付着する環境
・温度差が激しく結露しやすい環境

 

3. 電食を防止するには

1⃣.同種の金属を使用する

金属面が接触する必要がある場合、同種の金属を使用することで電食を防止できます。
また、電位差の少ない金属同士であれば、電食は起こりにくくなります。

2⃣.絶縁する

金属の接触面を塗装したり絶縁材料を挟み込んだりして絶縁することで、電食を防止できます。

3⃣.密閉する

金属面が接触する箇所を密閉することで、外部環境の影響を受けないようにします。
但し、密閉時に確実に乾燥させておかないと、結露などでも電食は発生します。

 

おまけ(JIS Z 0103-1996より)

JISの定義によると、電食とは厳密には迷走電流腐食のことを言い、正規の回路から外れて流れる電流によって起こる腐食のことを言います。
ここで説明している異種金属接触腐食のことはガルバニック腐食と言いますが、一纏めにして電食と呼んでいる人があまりにも多いので、電食と言った方が通じやすいです。