金属の造形方式:DED
造形方式「DED」とは
溶融した金属材料を所定の場所に積層・凝固させて造形する方法です。
金属粉末を材料とする(1)レーザビーム熱源方式と、合金ワイヤを材料とする(2)アーク放電方式があります。
パウダーベッド方式に比べ、高速造形が可能ですが形状精度は低いです。
また、パウダーベッド方式と異なり、造形終了後にパウダーの除去作業は不要です。
金型などの金属材料へ追加工(肉盛り)もできます。
レーザビーム熱源方式
ノズルから金属パウダーを噴射すると同時にレーザ光を照射することで金属パウダーを溶融池(メルトプール)に供給、凝固させて造形を行います。
溶融ノズルまたはステージを移動させながら部品形状を描きます。
金属粉の供給経路を切り替えることで異種金属の造形が可能です。
また、レーザ出力が大きいため高速造形が可能です。
DEDにおいては金属が高温で溶ける際に酸素と化学反応をして酸化してしまうと積層部分が脆くなり、精度が悪くなるという問題があり、酸素が入らないよう造形エリア全体をチャンバーで囲ったり、ノズルの周りにシールドガスを吹き付けて酸素が入らないようにして対策されています。
材料噴射法と同様に造形材料を吐出するしくみであるため、通常はオーバーハング形状を造形するにはサポートが必要になりますが、金属材料では造形物とサポートとの分離は困難です。
そこで、造形物を固定する造形テーブル自体が5軸加工機のように可動したり、プリントヘッドが多関節ロボットの先端に取り付けられていて、造形物をサポート材を必要としない角度に調整することでオーバーハング形状でも問題なく造形することが可能な機種が存在します。
一方、造形テーブルが固定されている機種はサポート材が必要になる形状(例えば45度以上の傾斜や球体のような形状)の造形には向きません。