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3Dプリンター

3Dプリンティングにおけるサポート構造

2020年6月9日


はじめに

3Dプリンティングにおけるサポート構造は、部品を正確に造形するために重要な要素の1つです。 樹脂3Dプリンティングにおけるサポート構造はその必要性が広く知られていますが、金属3Dプリンティングにおけるサポート構造についてはまだその必要性や役割が十分知られていないところがありますので、今回取り上げたいと思います。

 

サポート構造とは

サポート構造は、造形中におけるパーツの変形を防ぐのに役立ちます。複雑な形状を造形する場合に必要とされ、造形する部品と同じ材料またはサポート構造用の別の材料で造形プロセス中にプリントされます。サポート構造は造形完了後に除去されます。

 

サポートを必要とする複雑な形状とは、オーバーハングやブリッジなどの形状のことを指します。これらの形状はサポート構造を使用せずに正確にプリントすることが困難です。

 

サポート構造はその名のとおり、オーバーハングやブリッジ形状を下から支える(サポートする)役割がありますが、金属3Dプリントにおいては放熱器としての役割を担います。サポート構造は部品から熱を取り除き、造形プロセス中に発生する熱の影響による変形を防ぐのです。

 

造形方式ごとのサポート構造必要性

造形方式 種類 サポート構造
光造形 SLA / DLP 必要
材料噴射法 MJP / Polyjet 必要
バインダージェッティング 不要
粉末床溶融結合(PBF) SLS(樹脂) 不要
SLM(金属) 必要
DMLS(金属) 必要
EBM(金属) 必要
指向性エネルギー堆積法 DED 必要

関連:3Dプリンターの造形方式種類

 

金属3Dプリンティング技術におけるサポート構造

■PBF(Powder Bed Fusion)

上記の表のうちSLM、DMLS、EBMはいずれも金属粉末を材料とする粉末造形(PBF)です。

 樹脂3Dプリンティングにおける粉末造形ではサポート構造不要とされていますが、金属3Dプリンティングにおいては粉末造形でもサポート構造が必要となるので注意が必要です。

 

レーザーや電子ビームを照射することにより発生する熱を取り除き、ひび割れ、反り、たるみ、層間剥離、収縮につながる熱変形を最小限に抑えることができます。

 

 

■バインダージェッティング(BinderJetting)

バインダージェッティングはPBFと同様に粉末材料を使用する3Dプリンティング技術ですが、金属粉末を使用する場合にいおいてもサポート構造を必要としません。これは、バインダージェッティングが粉末の固形化に結合材(バインダー)を使用するため造形プロセス中に熱を発しないこと、周囲を埋める粉末が部品を支持していることが理由です。

 

■DED(Direct Energy Deposition)

吹き付けた金属粉末材料を溶融して部品を形成する方式です。DEDを使用してプリントされる部品には、通常はサポート構造が必要ですが、多軸ロボットアームと造形機を組み合わせることで、プリントノズルまたは部品を固定するビルドプレートを任意の角度に調節しながら造形し、サポート構造を不要とする機種もあります。

 

 

サポート構造の削除

金属3Dプリンティングで部品のサポート構造を設計する場合、それらに工具でアクセスできることが重要です。そうでない場合、後処理段階で取り外すことができません。

金属部品のサポートの取り外しは、樹脂3Dプリンティングのそれよりも困難であり、通常、切削工具が必要になります。さらに、サポート構造を除去した面は荒れることが多いため、完成した部品の外観が重要な場合には研磨剤を吹き付けるブラスト加工や切削などの後処理が必要になります。

 

 

サポート構造がもたらすデメリット

サポート構造をプリントすることによりプリント時間と材料コストの両方が増加します。またサポート構造を除去した部分は表面品質が悪化します。

 

造形可能な形状に制約が発生するのもサポート構造によるデメリットの一つです。サポートを除去することを前提に設計する必要があり、工具でサポート構造を除去できない構造は造形不可となる可能性もあります。

 

 

対策

3DCADなどを用いた設計段階はもちろんのこと、3Dプリンティングの準備段階では専用のソフトウェアを使用してサポート設計を行うため、この段階で必要なサポートの量をできるだけ減らすことを念頭に設計することが重要です。

 

具体的には以下の2点が挙げられます。

1.オーバーハングやブリッジ形状を避ける

一般的にサポート構造は水平面との角度が45度より大きい部分には不要とされているため、オーバーハング形状の部分にも面取りまたはフィレット機能を使って形状を変更することでサポート構造を回避することができます。

 

 

2.サポート構造が発生しないよう造形方向を選択する

部品の形状によっては造形時の部品の向きを変えることでサポート構造の量を減少させることができます。水平と垂直方向を入れ替える、または部品を45度傾けることで改善する場合もあります。

ただし、3Dプリンティングされた部品は異方性があることも知られているため、高度な設計を行う場合には考慮する必要があります。

 

まとめ

サポート設計の最適化と除去作業の簡易化は、3Dプリンティングを容易にし、各産業への普及を促進するものと考えられます。そのために業界は課題を克服するための技術を日々開発し、今もめまぐるしく進化を続けています。 

 

人手でも容易にサポート構造を除去できる技術や化学的なアプローチでサポート構造を除去する技術、またはそもそもサポート構造がなくても正確に形状を造形する「サポートレス」の造形技術など、様々な技術開発が行われています。

 

カブクではこれらの技術動向を常にチェックし、有用なものを取り入れてカブクのオンデマンド製造プラットフォーム「カブクコネクト」を通して皆様が利用できる状態にすることで金属3Dプリンティングの普及に貢献したいと考えています。

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