カブクコネクト

欧米での 3Dプリンター 活用事例

弊社のオンデマンド製造プラットフォーム「Kabuku Connect(カブク コネクト)」では
3D プリンター、切削、板金の見積、製造サービスを展開しております。

日々ユーザーより入稿頂いているデータを拝見する限り、
多くは切削、成形、板金といった従来工法で容易に製造できる形状です。
この形状では、AM(3D プリンタを用いた積層造形 = Additive Manufacturing の頭文字)技術の活用は出来ず、
単価が従来工法と比較して高い! で終わってしまいます。

現在は日本国内において本格的に AM 技術の有効活用や実用が出来ているケースはほとんど無く、
手探りで見積りを取っている企業が多いのが現状です。

今回は公表されている欧米での AM 技術の活用事例をいくつかご紹介させて頂き、少しでも AM 技術を活用するため、
また、活用の可能性を見い出すためのヒントになればと思います。

事例

  1. 英国鉄道会社の車内シート部品(樹脂)

AM製造対象品:

列車内のシートに設置される肘掛け、グラブハンドル(シート上部に取付けられるハンドル)

ポイント:

・英国鉄道業界標準の「EN45545-2」に準拠した最初の3Dプリント素材を使用

・運行期間が長い故に部品が廃盤となっていても、AMであれば在庫レスで都度製造可能

・金型不要で 1 個から製作が可能、メンテナンス時のダウンタイムも短縮

・AM の活用でリードタイム 94% 削減、コストダウン 50% を達成

参照元:
https://idarts.co.jp/3dp/stratasys-angel-trains-3d-printed-parts-chiltern-railways/

  1. Dunlop 社の製造治具

AM 製造対象品:

古い機械の保守パーツ、製造治具(樹脂)

ポイント:

・記事では、例として油圧式圧着工程の際にパーツを固定する治具を紹介

・従来の外注式では 2 ~ 3 週間の納期が掛かり、ナイロン製であることにより夏季は高温による変形も発生。
 AMのカーボン短繊維ナイロンでの内製に変更する事で、1 ~ 2 日程度まで納期を短縮し、高温による変形を防ぐ事に成功した。

・金額換算すると、この治具だけで年間 40,000 EUR(約 4,800,000円)のコストダウンになる見通し。

・同社は他にも試作チームが AM 技術を活用している。

・ピストン部品の試作は従来だと単価 500 EUR(訳 60,000円)掛かっていたものを
 AM で製造する事で単価 15 EUR(訳 1,800円)に抑える事に成功した。

参照元:
https://markforged.com/blog/dunlop-to-3d-print-all-tools-with-markforged-printer/

  1. Silvent 社のセーフティエアーガン内部部品(金属)

AM製造対象品:

セーフティエアーガン Pro One の複数の内部部品

ポイント:

・部品の内部空洞化、メッシュ構造化、アンダーカット、配管を AMでは一工程で造形可能。

・従来の工法では不可能だった構造を実現する事で、省エネ化と製品使用時の小ノイズ化に成功

参照元:
https://www.3dprintingmedia.network/hoganas-3d-prints-component-mass-production-silvent-pro-one-compressed-air-tool/

  1. Aerojet Rocketdyne 社のロケット部品(金属)

AM製造対象品:

ロケットエンジン「RL10」推力室

ポイント:

・AM 技術導入前のロケット部品である RL-10-C1 は複数の複雑形状をしたステンレス部品で、製造納期は数ヶ月だった。
 後継部品となる RL10では、 2 つの銅合金部品を AM で製造し、納期を 1 ヶ月以内に短縮成功。

・ 90% 以上の部品点数削減に成功し、結果的にコストも抑える事が出来た。

・品質面でも「熱伝導性の向上」が挙げられており、エンジンとして重要な要素である小型化と軽量化の実現も可能な見通し。

参照元:
https://fabcross.jp/news/2017/20170519_aerojet_rocketdyne.html

 

今回のブログでは樹脂、金属各 2 件ずつの欧米事例を紹介いたしました。

AM技術を活用するには、多角的な視点でメリットを捉えることが重要です。
それぞれの事例から、以下のような切り口で改めて考えてみてはいかがでしょうか。

AM技術活用の切り口

・データさえあれば造形できることから、長期に渡る安定した供給および在庫レス化

・素材の変更による品質改善

・複雑な構造の実現による製品価値の向上、納期短縮

 

次回はより詳しい内容の AM 活用事例をさせて頂く予定です。

最後に、本ブログで御紹介させて頂いた記事内にて
使用された3D プリンターを用いた製造、試作等のご要望がありましたら、
ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。

カブクは各メーカーの 3D プリンターや類似製品の製造実績を持っている協力工場と繋がっております。
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