エンプラ・スーパーエンプラとは？

本日は弊社サービス「Kabuku Connect(カブクコネクト)」でも
一部お取り扱いのあるエンジニアリングプラスチックについてご紹介いたします。

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)とは

エンジニアリングプラスチック(通称エンプラ)とは、
一般的なプラスチックよりも優れた機能を持たせたプラスチックのことです。
主に、これまでプラスチックが弱いとされていた耐熱性について性能を上げたもので、
100℃以上の環境に長時間おかれていても49MPa以上の引張強度と2.5GPa以上の曲げ弾性率を持つプラスチック群を指します。

工業製品においては、一般的なプラスチックと金属部品の中間のような位置づけで、その用途によってさまざまな機能、
例えば耐熱性に加え、耐薬品性、耐摩耗性等に優れたエンプラが開発されています。

代表的なエンプラ

主なエンプラとして「５大汎用エンプラ」が挙げられます。

記号・名称	特徴	用途
PA(ポリアミド)　★	結晶性プラスチックであるため耐薬品性に優れています。機械的性質に優れ、強靭で特に耐衝撃性が優れた材料です。	エンジンカバー、マニホールド、コネクタ、ダクト、治具、固定具　など
PC(ポリカーボネート)　★	透明性・耐衝撃性・耐熱性・難燃性・寸法安定性などに優れた材料です。	スーツケース、眼鏡・カメラのレンズ　等
POM(ポリアセタール)　★	バランスの取れた機械的性質をもち、特に耐疲労性に優れ、耐薬品性・耐摩擦・摩耗性があります。安価で入手しやすいことも特徴です。	機械部品、自動車部品、文具・雑貨、楽器
m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)	耐加水分解性と電気特性に優れ、低比重であるという特徴があります。伸びが大きく粘り強いため、耐衝撃性にも優れています。	自動車部品、機械部品(スイッチ、コネクタ等)
PBT(ポリブチレンテレフタレート)	熱安定性や寸法精度、耐衝撃性、電気絶縁性に優れています。	機械部品(スイッチ、コネクタ等)

★のついた材料は弊社「Kabuku Connect」の即時見積サービスでも取り扱っております。
その他の材料もご相談に応じて対応させていただきます。

5大汎用エンプラのほかに代表的なものとして、GF-PET(GF強化ポリエチレンテレフタレート)、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)、PTFE(フッ素樹脂)などがあります。

スーパーエンジニアリングプラスチック(スーパーエンプラ)とは

スーパーエンプラとは、特殊エンジニアリングプラスチックとも呼ばれ、エンプラよりもさらに優れた特性を持つプラスチックの総称です。
一般的には、耐熱温度150℃以上で長期間使用できる性質が強いものを指します。

代表的なスーパーエンプラ

記号・名称	特徴	用途
PAR(非晶ポリアリレート)	全光線透過率は89％と高い数値を持ち透明でありながら、耐候性、紫外線遮蔽性に優れています。	自動車部品、カメラのストロボ　等
PPS(ポリフェニレンサルファイド)　★	黒褐色で、耐摩耗性、剛性、難燃性、耐薬品性、電気特性、寸法安定性等に優れています。	食品機械部品、塗料添加剤　等
PES(ポリエーテルサルフォン)	琥珀色がかった透明色で、特に耐熱性に優れています。寸法安定性、難燃性、耐熱水性などの優れた性質を持っています。	医療機器部品、調理用品、機械部品、自動車部品　等
PEEK(ポリエーテルエーテルケトン) ★	耐摩耗性、耐熱劣化性、機械特性、耐熱水性、耐放射線性、難燃性、寸法安定性、絶縁性に優れています。耐薬品性については、エンプラの中で最高レベルです。	機械部品（電線被膜、薬品・溶剤・腐食性ガス製造ラインの部品）、エンジンなど高温部での使用を含む自動車関連部品 航空宇宙用部品
LCP(液晶ポリマー)	溶融時に液晶的性質を示す樹脂です。成型時の流動性に優れています。	電化製品（スマートフォン、テレビ、エアコン）等

★のついた材料は弊社「Kabuku Connect」の即時見積サービスでも取り扱っております。
その他の材料もご相談に応じて対応させていただきます。

まとめ

エンプラ、スーパーエンプラという言葉の定義とともに、具体的な材料の例をいくつかご紹介させていただきました。
プラスチック業界では、日々さまざまなメーカーから新しいプラスチックが開発されており、
その性能は独自の基準や規格であることも少なくありません。
当社では、製造したいものに求めるスペックや仕様によって最適な材料をご提案することも可能です。
ぜひお気軽にご相談ください。