医療業界における3Dプリンター活用事例

3Dプリンター
2020年4月20日
3Dプリンターを使用したフェイスガード

AM 技術は現在すでに様々な業界・分野にて研究開発や実用化が進んでいます。

様々な業界の中で、特に活用が進んでいるのが宇宙航空、自動車、医療業界です。

今回は、日本においてはまだAM技術の活用が進んでいない医療業界の事例を紹介致します。

 

中耳のインプラント事例

AM製造対象品:中耳(中耳腔、耳小骨、耳管)

*中耳(ちゅうじ):耳の鼓膜から奥のことをいい、中耳腔、耳小骨、耳管からなる。

ポイント:

・世界初の3Dプリントされた中耳を用いた移植手術の成功

・人体の骨格や内部器官は形状が複雑な上、個人差も生じるが、AM技術を活用する事で各患者に最適な物を提供可能

・同手術を行った医師はプレトリア大学(南ア)耳鼻咽喉科学科のトップであり、過去にも世界初となった非切開内視鏡口蓋扁桃摘出術を成功させた実績もある。

・3Dプリントする事で複雑な形状である中耳を再現し、この手術を低コスト化と標準化を目指す。

参照元:

https://additivenews.com/professor-tshifularo-performed-world-first-am-printed-middle-ear-transplant/

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%80%B3

 

新型コロナウィルス感染症緊急対策事例

AM製造対象品:フェイスガード、呼吸器、検査キット

ポイント:

・感染がオーバーシュートを起こしており、医療現場が崩壊しているイタリアで呼吸器を3Dプリントした事例

・コロナ感染者の数が増えるにつれ、急激に生産が追い付かなくなった呼吸器を3時間の試作製造を経て量産化

・呼吸器は既に実用され、機能上の問題は無い(一つ辺りの使用時間の目安は 8 時間)

・3Dプリントされた呼吸器は1個当たりの価格は約1€(117円前後)で、機械のサイズ等にもよるが1台のプリンターで約60 ~ 100個を1日で生産可能

・呼吸器同様、医療スタッフが着用するフェイスガードや検査キットの綿棒も不足した分をAM技術を活用する事で補っている

・現在は中国、イタリア、USAの3Dプリンター所有企業の一部は正式に契約を結び、付近の病院と共同で定期供給をしているケースもある

・日本でも大阪大がフェイスガードをAMで作成し、CADデータが公開され、誰でも造形が可能な状態になっている

参照元:

https://www.3dprintingmedia.network/covid-19-3d-printed-valve-for-reanimation-device/

https://studiofathom.com/blog/covid-19-response

https://facfox.com/news/medical/johnson-johnson-3d-printed-anti-fog-goggles-for-quarantine-officers.3dm

https://www.metal-am.com/america-makes-launches-repository-for-covid-19-health-care-needs/

https://additivenews.com/pandemic-coronavirus-3d-printing-helps-hospital-save-lives-producing-valves/

https://www.bbc.com/news/technology-51911070

https://www.3dprintingmedia.network/3d-printed-nasal-swabs-covid-19/

https://mainichi.jp/articles/20200403/k00/00m/040/229000c

 

 

既にご存知の通り、日本を含め世界中で新型コロナウイルス感染症による影響が拡大しております。

ご紹介したとおり、呼吸器やフェイスガードは3Dプリントされた物でも効果を発揮する事が分かりました。

元々欧米では医療分野においてもAMの活用は進んでいましたが、これからより一層幅広い形での検討や研究が行われていく事が想定されます。

日本においては医療器具やインプラントに関しては欧米とは異なる制約になっている為、すぐにではないものの、将来的にはAMの活用が見込まれる分野の一つと言えるでしょう。