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【放電加工】ワイヤー放電加工とは

ワイヤー放電加工とは、金属のワイヤー線(電極線)に電流を流し、電極からの放電によって加工物を溶かしながら切断する加工方法です。放電によって加工するので加工対象には触れない非接触加工であり、微細な加工に適しています。ワイヤー放電加工はワイヤーカットとも呼ばれます。

ワイヤー放電加工機とは

主な構成としては放電に関わるワイヤー線や電力部、移動テーブルなどを制御する加工制御部、加工時に必要な加工液を供給する加工液供給部があります。
ワイヤー線は上下に張って固定され、供給側から送り出し、受け側で巻き取られます。
ワイヤー線には主に真鍮製が用いられますが、タングステンやモリブデンも使用されます。ワイヤー直径はΦ0.05mmからΦ0.3程度の極細のものが使われます。
工作物を固定するためのテーブルがあり、固定治具によって工作物を固定します。
加工液には加工物とワイヤー線の間の絶縁や冷却、加工くずの排出などの役割があり、ワイヤー放電加工には必須です。

加工プロセス

1.加工物の固定
加工物をワイヤー放電加工機のテーブルに固定治具で固定します。
2.加工
作成したプログラムに従って加工テーブルやワイヤー線を制御して加工を行います。
加工開始時、端から加工するのであれば問題ありませんが、加工物の内側から加工を開始する必要がある場合はスタート穴を加工しておく必要があります。
加工精度はワイヤー線に流す電流を調整しながら粗加工から仕上げ加工まで複数回に分けて行うことで高精度にすることができます。

まとめ

ワイヤー放電加工はその加工精度から二次元形状の金型や微細加工・精密加工などに多く利用されています。
また、どんなに硬い材料でも導電性があれば加工ができる。非接触であるため、被加工物への負荷が少ない。運用面でも加工のための工具がワイヤーのみで低コスト運用が可能。などのメリットがあるため今後も更なる活用が期待されています。