カブクコネクト

【用語】鉄鋼用語集(4)表面硬化処理及び表面処理

用語意味英語表記(参考)
表面硬化処理鉄鋼の表面層を硬化するために行う浸炭焼入れ、窒化、高周波焼入れ、炎焼入れなどの操作。surface hardening
高周波焼入れ

高周波電流による誘導加熱作用で加熱して行う焼入れ。

主に鉄鋼の任意の表面又は部分を焼入れする場合に用いる。

鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工は、JIS B 6912 (鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工)に規定されている。

induction hardening
炎焼入れ

炎で直接加熱して行う焼入れ。

主に鉄鋼の任意の表面を焼入れする場合に用いる。

flame hardening
浸炭

鋼の表面層の炭素量を増加させるため、浸炭剤中で加熱処理する操作。

浸炭剤の種類によって個体浸炭、焼きたい浸炭及びガス浸炭に分けられる。

なお、浸炭した鋼は、焼入焼戻しを施して使用することが普通である。

この処理を肌焼き(case hardening)ということもある。

carburizing
エンリッチガス浸炭性雰囲気のカーボンポテンシャルを増加させるために添加する炭化水素などのガス。enriched gas
カーボンポテンシャル

鋼を加熱する雰囲気の浸炭能力を示す用語。

その温度で、そのガス雰囲気と平衡に達したときの鋼の表面の炭素濃度で表す。

carbon potential
露点

雰囲気中の水分が凝縮し始める温度。

ガス浸炭の場合は、露点でカーボンポテンシャルを調節できる。

dew point
真空ガス浸炭真空中で処理物を加熱し、浸炭性ガスを導入して行う浸炭。vacuum carburizing
イオン浸炭減圧した浸炭性ガス雰囲気中で、陰極とした処理物と陽極との間に生じるグロー放電を利用した浸炭。ion carburizing, plasma carburizing
電解浸炭塩浴中で、陰極とした処理物と陽極との間に通電し、処理物を加熱して行う浸炭。electrolytic carburizing
緩和浸炭過剰浸炭を防止するために浸炭性の弱い浸炭剤中で行う浸炭。mild carburizing
復炭鋼の脱炭層を元の炭素量に回復するために行う浸炭処理。recarburizing
浸炭窒化

鋼の表面層に炭素及び窒素を同時に拡散させる操作。

浸炭浸窒ともいう。

処理方法には、浸炭性ガスにアンモニアを添加して行うガス浸炭窒化などがある。

carbonitriding
窒化

鉄鋼の表面層に窒素を拡散させ、表面層を硬化する操作。

処理方法には、アンモニア分解ガスによるガス窒化及び青酸塩による液体窒化がある。

nitriding
真空ガス窒化真空中で処理物を加熱し、窒化性ガスを導入して行う窒化。vacuum nitriding
軟窒化

処理物に窒素又は炭素及び窒素を拡散させ、耐摩耗性、耐疲れ性などを向上させる熱処理。

塩浴軟窒化、ガス軟窒化などがある。

nitrocarburizing
イオン窒化減圧した窒化性ガス雰囲気中で、陰極とした処理物と陽極との間に生じるグロー放電を利用した窒化plasma nitriding
真空ガス浸炭窒化真空中で処理物を加熱し、浸炭性及び窒化性ガスを導入して行う浸炭窒化。vacuum carbonitriding
イオン浸炭窒化減圧した浸炭性及び窒化性ガス雰囲気中で、陰極とした処理物と陽極との間に生じるグロー放電を利用した浸炭窒化。ion carbonitriding, plasma carbonitriding
直接焼入れ

鋼をそのまま焼入温度まで冷却し、直ちに行う焼入れ。

浸炭温度から直接焼入れする場合もある。

direct quenching
一次焼入れ浸炭した鋼の心部の組織を微細化する目的で、心部のAc3点以上の適当な温度に加熱して行う焼入れ。primary quenching
二次焼入れ浸炭した鋼の浸炭層を硬化する目的で、一時焼入れ後浸炭層のAc1点以上の適当な温度に加熱して行う焼入れ。secondary quenching
セメンテーション

金属材料の表面層の硬さ又は耐熱耐食性などを向上させるために、高温度の各種媒剤中で、他の元素を表面に拡散させる操作。

拡散浸透処理ともいう。

cementation
アルミナイジング

鉄鋼の耐熱性及び耐食性を向上させるために、表面をアルミニウムで拡散被覆する操作。

フェロアルミニウムなどの粉末による方法をカロライジング(calorizing)ともいう。

aluminizing
ガルバナイジング

鉄鋼の耐食性を向上させるために、溶融亜鉛浴に浸せきして表面を亜鉛で被覆する操作。

硫酸塩浴液中において電気めっきで亜鉛を被覆する場合もある。

galvanizing
サルファライジング

硫黄を鉄鋼の表面に拡散させる操作。

浸硫ともいう。

sulfurizing
クロマイジング鉄鋼の耐熱性及び耐食性を向上させるために、高温で表面にクロムを拡散させる操作。chromizing
シリコナイジング

けい素を鋼の表面に拡散させ、耐食性皮膜を作る操作。

浸けいともいう。

siliconizing
シェラダイジング粉末亜鉛又はこれを含む混合粉末中で鉄鋼を加熱し、その表面に亜鉛を拡散させて耐食性皮膜を作る操作。sherardizing
ボロナイジング

ほう素を鋼の表面に拡散させ、耐摩耗性被膜を作る操作。

ほう化ともいう。

boronizing
炭化物被覆処理

鋼の耐摩耗性などを向上させるために、その表面に炭化物被覆を生じさせる操作。

処理方法には、金属粉末や合金粉末を添加した溶融塩中に浸せきして生じさせる溶融塩法、金属ハロゲン化物などの混合ガスの高温における化学反応によって生じさせる化学蒸着法及び放電中における蒸発金属の反応と衝撃的な蒸着によって生じさせるイオンプレーティング法などがある。

carbide coating
水蒸気処理

水蒸気中で加熱して、表面に四三酸化鉄を生じさせる処理。

その目的は、潤滑能力を高めることである。

steam treatment
過剰浸炭浸炭層の炭素量が目標値以上になる現象。excess carburizing
焼入れ硬化層深さ

焼入れで硬化する深さ。

高周波焼入れ又は炎焼入れによって硬化する深さについては、有効硬化層深さ及び全硬化層深さがJIS G 0559(鋼の炎焼入及び高周波焼入硬化層深さ測定方法)に規定している。

depth of hardening
浸炭硬化層深さ

鋼を浸炭し、焼入焼戻しによって硬化した浸炭層の深さ。

有効硬化層深さ及び全硬化層深さがJIS G 0557(鋼の浸炭硬化層深さ測定方法)に規定している。

carburized case depth

※双葉電子工業株式会社 プレート総合カタログ 設備用規格編 レッドブック<設備編>から抜粋