【溶接】すみ肉溶接
すみ肉溶接(Fillet weld)とは
すみ肉溶接とは、アーク溶接の一種で、母材同士がT字やL字になるように、ほぼ直角で交わる2つの面に、ビードと呼ばれる曲面のある三角形の溶融金属を形成して接合する溶接です。
ビードのサイズは、脚長とのど厚という言葉で表します。ビードのサイズが強度や耐久性を決定する要素となるので、計算して設計しましょう。
のど厚について
設計上ののど厚(理論のど厚)上は正確な三角形ですが、実際(実のど厚)には凹んだり膨らんで湾曲した形状となります。すみ肉溶接にはT継手・かど継手・重ね継手の3種類があります。
図面指示方法
例1:脚長が均等
例2:脚長が不均等
メリット
開先加工が不要で部材同士を合わせるだけで良く、加工コストが抑えられます。
加工可能な母材の形状の幅が広く、配管、造船、橋梁など多くの分野で使用可能です。
正しく溶接が出来ていれば、母材強度に見合う接合強度が確保できます。
短時間で溶接作業できるため生産性が高く、大量生産に向いています。
デメリット
他の溶接と比較して、接合部の強度が劣る場合があります。
溶接による変形や残留応力が大きい場合があります。
溶接ビードが盛り上がるため、外観に影響があります。
強度を出そうとすると溶接金属量が多くなり、コストと重量が上がります。