カブクコネクト

機械要素の使い方① -管用ネジと歯車の固定

①菅用(くだよう)ねじの使い方

管用ねじとは

中空のねじで、水や空気などの流体が通るようになっており、水道管やガス管などの配管に使われています。

管用テーパねじと管用平行ねじの2種類と、それぞれに雄ねじと雌ねじがあります。

ねじサイズは一般的にインチ表記なので、慣れないうちは表を見ながらサイズを選択しましょう。

適合しないねじの使用や漏れ防止の処置をしないで使用すると効果が発揮できないので注意が必要です。

管用テーパねじと管用平行ねじの選択

役割が違うので使用する目的に合わせて選定します。

管用テーパねじ

ねじ部がテーパーになっているねじで、根元が太く先端が細くなります。

締め付けると雄ねじと雌ねじが密着して耐密性が高まり、漏れを防止できます。

・使用時の注意点

密着していて耐密性が高いねじですが、完璧に隙間なく密着しているとは限りません。

加工誤差などの要因により僅かな隙間が発生してしまいます。

そういった隙間から気体や液体が漏れだしてしまうので、ねじ部にシールテープを巻き付けて埋めることで、防ぐことができます。

ただし、シールテープの種類や巻き方は正しく行わないと効果がないので注意が必要です。

管用平行ねじ

ねじ部が平行になっている管用ねじで、部品同士を強く接合したい時に使用します。

・使用時の注意点

締め付けても雄ねじと雌ねじの隙間が大きく漏れが発生するので、Oリングやパッキンを使用して耐密性を確保します。

ただし、パッキンの材質や潰し代を設定しないと効果が発揮できません。

パッキンの潰し代に合わせて段差を設けることで、締めこむだけで一定の潰し代を確保できます。

※インチねじとの違い

管用平行ねじもインチ呼びですが、インチねじとは別物です。

 

②ねじ固定とマシンキーによる軸と歯車の固定方法

歯車の回転運動を確実に伝達するためにも、軸との固定は確実なものでなくてはいけません。

軸と歯車のサイズや材質や回転速度やトルクなどの条件から、最適な方法で固定する必要があります。

軸に歯車を固定するための、一般的によく使われる方法を紹介します。

・Dカット+ねじを使用する方法

※Dカット

軸の一部を平面に加工して、断面がDの文字のような形状に加工する方法です。 

軸側の歯車を固定する位置にDカット加工をして、ねじ先の面を平面部に押し付けるように締め付けて固定する方法です。

ねじの例1)六角穴付き止めねじ(イモネジ)

ねじの例2)六角穴付きボルト

一般的によく使われている方法で、シャフト滑りや空回りを防ぐことができます。

締結力はあまり強くないので、高負荷がかかる場面では別の固定方法を考えましょう。

使用時の注意点

・ねじ部が短いと、どんなに回して締め付けても軸のDカット面に届きません。

ねじは適切なものを使用しましょう。

・組付ける時に、軸の平面部が歯車のねじ部に来るように気を付けましょう。

ねじを締め付けた所が軸の円筒部だと、滑りやすいので空回りしてしまうかもしれません。

ねじが接触した状態で空回りすると、軸にキズが付いたり破損してしまう恐れもあります。

マシンキーを使用する方法

マシンキーを使用して軸と歯車を固定する方法です。

軸と歯車双方にキー溝を掘り、マシンキーをはめ込んで使用します。

固定する力が強く、高い負荷がかかる場面での使用に向いています。

使用時の注意点

・平行キーや半月キーなど複数の種類があり、それぞれキー溝の形状や固定方法が異なります。

・キーとキー溝の関係は、大きいと入らないし小さいとガタつくので、寸法と公差には注意しましょう。

JISによって規定されているので、歯車と軸のサイズと運動の強度からマシンキーのサイズを選定して、それに従いキー溝の寸法が決定します。

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