コバルトクロム合金
コバルトクロム合金
コバルトやクロムなどのレアメタルによって形成される合金です。
その優れた特性からジェットエンジンなどの部品製造に使用され、航空機の発展に大きく貢献してきた金属。
現在は医療業界でも広く使用されています。
特徴
疲労強度が高く、高温や高圧力に耐えるため厳しい環境下で使用するジェットエンジンのコンポーネントの製造が可能です。
また優れた生体適合性、耐摩耗性も有するため歯科、医療業界においてインプラントや人工関節の製造に使用されています。
一方、高い加工硬化性と低熱伝導率であることから、切削加工においては工具損傷が生じやすい難削材に分類されます。
用途
医療、歯科:インプラント、人工関節
航空宇宙:エンジンコンポーネント
電力:ガスタービン
化学成分
3Dプリントに使用されるコバルトクロムは、各材料メーカによって成分の比率に多少のバラツキはありますが、優れた生体適合性は共通です。
材料 | 3Dプリント用コバルトクロムの成分例 | |||||||
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CoCrMo | Co | Cr | Mo | Si | Mn | Fe | C | Ni |
60~65 | 26~30 | 5~7 | 1.0以下 | 1.0以下 | 0.75以下 | 0.16以下 | 010以下 |
参考:一般的なコバルトクロム合金の化学成分
材料 | 一般的なコバルトクロム合金の成分例 | |||||||
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CoCrMo | Co | Cr | Mo | Si | Mn | Fe | C | Ni |
残部 | 26.5~30.0 | 4.5~7.0 | 1.0以下 | 1.0以下 | 1.0以下 | 0.35以下 | 1.0以下 |
3Dプリントに用いられるコバルトクロムの機械特性
項目 | 値(造形時) | 値(熱処理後) |
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最大引張強度(MPa) | 1050~1450 | 1000~1200 |
降伏強度(MPa) | 700~1160 | 550~650 |
破断伸び(%) | 8~28 | 20~ |
弾性率(GPa) | 170~220 | 180~220 |
硬さ(HRC) | 35~45 |
※機械的特性は、使用する機械、ビルド条件や測定条件によって異なることがあります。
注意
上記のデータは指定の材料、装置、パラメータセットを所定の試験手順によって測定されているものであり、
この材料を使用して得られる全ての部品等について保証するものではありません。